成功者の街 2019 11 4

 道行く人に尋ねる。
「成功者の街は、どこにあるのですか」
 すると、意外なことを聞き返される。
「あなたは、成功者ですか。
成功者でないと、成功者の街は現れません」

 確かに、アメリカにおいて、
成功の難易度は上がっているかもしれません。
 科学技術の発展によって、
工場では、ロボットが精密に自動車を組み立て、
AIコンピューターが本物の弁護士や会計士よりも、
正確な回答を出すかもしれません。
 だから、アメリカの若者は社会主義を求めるのか。
いや、政府に回答を求めるのかもしれません。
 しかし、高度なハイテク社会では、
政府すら無力化する可能性があります。
 フェイスブックが考えている暗号通貨の「リブラ」は、
中央銀行の金融政策すら無力化させる破壊力があります。
 そもそも、社会主義というものは、
社会の富を食い尽くしたら終了となることは歴史の経験則です。
「今は、過渡期」
 たとえ、AIコンピューターが出現しても、職業は減りません。
確かに、既成の職業や価値観は終了となるかもしれませんが、
また、新たに職業ができてくるのです。
 子供の頃、私は、父に聞いたことがあります。
石炭会社の役員は、一流大学の出身者が多かったので、不思議に思ったのです。
当時、日本において、石炭会社は、斜陽産業の代表のようなものでした。
 父が言うには、
「かつて、日本では、石炭会社は、花形産業だった。
だから、一流大学の学生が競って就職したものだ。
今、全盛期の会社は、やがて斜陽産業となることを覚えておきなさい。
今の成功を求めてはだめだ。
未来の成功を求めなさい」と。
 過去を知るのは、歴史です。
現在を知るのは、職業です。
未来を知るのも、職業です。
 今は、小さな湧き水のような職業でも、
未来において、大河(産業)となるのです。
 職業が未来を作っていくならば、
新しい職業を作っていかなければならない。



























































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